2019年度10月度 ヘルパー研修・会議 「発達障害について」
すごしやすい秋はあっという間で、早くも朝晩は寒い時季がやってきました。各地でちらほらと紅葉も見られるようになりました。
2019年度10月に実施したヘルパー研修・会議の様子を報告します。
「発達障害について」…10月7日(月)9:30~11:30北山ふれあいセンターにて 29名参加
京都市発達障害者支援センターの小沢綾氏に来ていただき、発達障害について学びました。
発達障害という言葉はよく耳にしますが、この研修を通して基本的なところから学ぶことができました。
【発達障害とは?】
多くは先天的、生まれ持ったものであり、育て方が原因ではない。脳のはたらき方が違い、心や身体の“病気”でもない。
図のように、発達障害(ASD、LD、AD/HD)のうち
単体で発症、もしくは2個又は3個重複している場合がある。
【ASD(自閉症スペクトラム)】
3つの領域(三つ組)の特性がある
①社会性(人との関わり)
②コミュニケーション
③想像力(イマジネーション)・こだわり
・人口の約1パーセント
・知的障害を併せ持っている人もいれば、そうでない人もいる
・特性がはっきりした人から、一見わかりにくい人まで幅広くいる
【AD/HD(注意欠如・多動性障害)】
・知的能力に見合わない不注意症状、多動・衝動性があり、生活に支障をきたしている
・人口の3~7パーセント
・知的障害のない自閉症スペクトラムの子どもの半数以上に併存するという報告もある
【LD(学習障害)】
知能全般に遅れはないが、特定の学習能力に極端な落ち込みがあり、学習面で苦労する
・書字障害(文字を書くこと)
・読字障害(文字を読むこと)
・計算障害(計算すること)
※診断基準・定義が複数存在し、含める範囲が異なる。例えば文部科学省の定義では、話す・聞く・推論するも含まれている)
これらの基本をもとに、発達障害をもつ人の生きにくさを考えることができました。
また、「医学モデル」から「社会モデル」への考えの転換も小沢さんは話されていました。果たして、障害とは本人だけの問題なのか?周り(社会)が変われば、生きにくさも減らす事ができるのではないか?
一人ひとりの生きにくさ、辛さ、困っている事へのSOSは、一見すると「周りを困らせる行動」に受け取られがちです。しかし、そこに「なぜ?」を付け加えることが大切だと思います。
図の氷山モデルのように、目に見えている部分(行動)にはちゃんと理由があると考えられます。「なぜ?」から出発して、理由を考えることにより、より良い支援の糸口も見えてくるかもしれません。
この研修を通して学んだことは必ずしも、目の前の利用者さん一人ひとりに当てはまるものではりません。育った環境やその人の性格、その時の体調や気分まで考え出したら、それは当たり前のことかもしれません。
しかし、発達障害について基本的なところから学ぶことによって、普段私たちが支援をする時、利用者さんの姿の見え方や捉え方、考え方は変わっていくのだと思います。
より良い支援ができるように…これからも考えていくことができたらと思います。
ヘルパー研修は毎月実施しています。
ヘルパーの皆さんはもちろん、広く地域の人にも参加をいただきながら共に学んでいけたらと思います。
研修に関するお問い合わせは「鷹峯居宅支援センター075-494-1737 川田、清水、中島まで」(中島)